海外送金の手数料比較【2026年版】4.5万円損した僕が「着金額」で比べた
この記事の結論(先に3行) 海外送金は「送金手数料」だけ見ると必ず損します。比べるべきは送金手数料+為替スプレッド+受取側手数料をぜんぶ引いた後の「着金額」。同じ金額を送っても、メガバンクとWiseでは総コストが10倍以上ひらくこともあります。そして、「どこが最安か」は送金額で入れ替わります——ざっくり50万円くらいまではWise、それ以上まとめて送るならソニー銀行のほうが安い。メガバンクはどの金額帯でも高い。ただし各社2026年4月前後に手数料を改定しているので、送る直前に各社公式で最新の数字を確認すること。
駐在が決まって最初にぶつかるお金の壁のひとつが、日本から現地口座への送金です。
僕は渡米直後、生活の立ち上げ資金(約300万円)を日本から動かす必要がありました。そのとき何も考えずメガバンク(みずほ)で送ってしまい、手数料と為替スプレッドの積み上げで合計4.5万円ほど余計に払ったと後から気づきました。当時の僕は「送金手数料が数千円」としか見ておらず、目に見えない為替スプレッドの存在すら知りませんでした。
さらに悪いことに、その反省を活かそうとした次の一手で、もっと大きく損をしました(後述)。
この記事は、当時の自分に読ませたかった「着金額ベースの比較決定版」です。メガバンク・ゆうちょ・ネット銀行・Wise・Revolutを同じ土俵で並べます。
そもそも海外送金の「本当のコスト」は4つの合計
多くの比較記事が「送金手数料◯◯円」だけで語りますが、それは氷山の一角です。海外送金で実際に引かれるのは次の4つ。
| コストの正体 | 中身 | 見えやすさ |
|---|---|---|
| ① 送金手数料 | 銀行に払う定額の手数料(例:3,000〜7,000円) | 見えやすい |
| ② 為替スプレッド | 銀行の交換レート(TTS)と仲値の差。ここが最大の隠れコスト | 見えにくい |
| ③ 中継銀行(コルレス)手数料 | SWIFT経由で経由する銀行が抜く手数料 | ほぼ見えない |
| ④ 受取銀行手数料 | 現地口座で着金時に引かれる手数料 | ほぼ見えない |
②の為替スプレッドがクセ者です。たとえば1ドルあたり1円のスプレッドで100万円分を送ると、当時のレート次第で約6,000〜7,000円が”レートに溶けて”消えます。手数料の欄には一切出てきません。
だから比較の軸は「送金手数料」ではなく、最終的に相手の口座にいくら着いたか(着金額)で統一するのが正解です。
みずほ銀行の海外送金手数料は?(メガバンクの代表例)
「みずほ 海外送金 手数料」で調べている人向けに、まずメガバンクの代表としてみずほから。
- みずほダイレクトアプリからの外国送金:送金手数料 一律5,000円(税込)(出典:みずほ銀行FAQ)
- 為替スプレッド:米ドルで概ね1ドルあたり1円上乗せ(TTS=仲値+1円)
- リフティングチャージ(コルレス先支払手数料):数千円かかる場合あり(要一次確認)
Wiseが公開している比較では、10万円をイギリスへ送った場合、みずほは合計11,000円超、Wiseは約793円という数字が出ています(出典:Wise公式ブログ)。同じ10万円を送るのに、着金額ベースで1万円以上の差です。
僕がやらかしたのはここです。「手数料5,000円くらいなら」と思って複数回に分けて送ったら、手数料×回数+スプレッドの積み上げで、気づけば4.5万円が消えていました。メガバンクは「安心」だけど、着金額で見ると一番高い選択肢になりがちです。
失敗その2:節約のつもりの「現金持参」で、もっと損をした
先に僕のもう一つの失敗を書いておきます。ここが一番、他の比較記事に書いていない部分だと思うので。
「銀行送金は高い」と学んだ僕は、次の一時帰国で現金100万円を持参して米国で両替することにしました。手数料を払わずに済むはずだ、と。
結果から言うと、これが銀行送金よりもっと悪かったです。
- 自分の口座がある銀行では、そもそも両替を断られた
- 他行を何軒も回り、最終的に新規口座を開設してまで両替した
- 手数料は2%以上・約$180(当時のレートで約2.5万円)
- これに丸一日を消費した
率で比べると、みずほ送金の1.5% → 現金両替の2%超。手数料を抑えようとした工夫が、実はもっと高くついたわけです。大金を持ち歩くリスクと、潰れた一日を足せば、差はもっと開きます。
「現金なら手数料がかからない」は錯覚です。両替レートという形で、銀行送金より高い手数料を払っています。まとまった資金は、送金の仕組みで動かすのが正解でした。
ゆうちょ銀行の国際送金
「ゆうちょ 海外送金」で来る人向け。ゆうちょは2025年7月に「ゆうちょの国際送金」というWebサービスを始めています。
- Web経由の送金手数料:3,000円/回(出典:ゆうちょ銀行公式)
- 窓口:7,500円程度(要一次確認)
- 為替スプレッド:公式サイトに記載なし。 利用者の実測値では約2円/ドル。公表されていない以上、送る前に確定額を知る方法がない
- 中継・受取銀行の手数料は「送金額から差し引かれる場合がある」と記載のみで金額非公示
送金手数料そのものはメガバンクより安いものの、スプレッドが公式に見えないのが評価しづらい点。着金額が読みにくいサービスです。
ネット銀行(住信SBI・ソニー銀行)は安いのか
住信SBIネット銀行(NEOBANK)
- 送金手数料:3,500円/回(2026年4月16日改定後)
- ⚠️ 2026年4月16日に値上げ実施済み。理由は「マネロン・テロ資金供与対策強化による事務コスト増加」(出典:手数料改定のお知らせ/外貨送金サービス)
- 組戻・変更・照会手数料:各5,000円
- リフティングチャージは「差し引かれる場合あり」と明記されているが金額は非公示。為替スプレッドも公式に具体値の記載なし
ただし住信SBIは「日本側でドルを持つ」用途では別格に強い。外貨預金(USD)のスプレッドは4銭/USDで、300万円をドル転すると約2万ドル、スプレッドコストは4銭×2万=約800円。メガバンクの1円/USD(約2万円)と比べて約25分の1です。
混同しやすいので整理しておくと——海外の口座に送るなら送金手数料3,500円+非公示のコストがかかる。日本の口座にドルを作って米国ETFを買うなら、ドル転コスト800円で済む。用途がまったく違います。
ソニー銀行
ネット銀行のなかで駐在員に評判がいいのがソニー銀行。理由は為替スプレッドの薄さです。
- 送金手数料:3,000円/回(Club Sプラチナステージなら月3回まで無料)
- 為替スプレッド(米ドル):一般 15銭、プラチナステージ 4銭(出典:ソニー銀行 手数料ページ)
- 受取手数料なし(被仕向け送金手数料ゼロ)
メガバンクの「1円/ドル」に対してソニー銀行は一般でも「15銭」、プラチナなら「4銭」。スプレッドが桁で違う。100万円規模を送るとこの差がそのまま数千円〜1万円の着金額差になります。条件(Club Sステージ)を満たせる人には有力な選択肢です。
Wiseは本当に最安? Revolutとの違いも
「ドル 外貨 手数料 比較」で最終的に行き着くのがこの2つ。仕組みが銀行と根本的に違います。
Wise
- 為替レートはミッドマーケットレート(銀行間レートそのまま)=スプレッドなし
- 手数料は「固定+変動(送金額の約0.73%〜)」の透明な料金体系
- 例:10万円をイギリスへ=約793円/50万円で約2,500〜4,000円/100万円で約5,000〜7,000円(目安。出典:Wise 手数料ページ。金額・通貨・入金方法で変わるので公式シミュレーターで都度確認)
- 受取手数料なし(自社ネットワーク内で完結する経路ではSWIFTを通らないため、中継銀行の手数料が発生しない)
スプレッドがゼロなのが最大の武器です。ただし率課金なので、金額が増えればコストも比例して増える——ここが後で効いてきます(「逆転点を計算した」で詳しく)。少額ほど強く、高額になるほど固定費型の相手に追い上げられる、という性質です。
銀行と決定的に違うのは、送る前に「いくら引かれて、いくら届くか」が画面で確定すること。比較のしようがある、というのが一番ありがたい点でした。
口座開設にはパスポートとマイナンバーが必要なので、駐在前に日本で済ませておくのが理想です。渡米後だと本人確認でつまずきやすい。
Revolut
- プラン:スタンダード(無料)/プレミアム(980円/月)/メタル(1,980円/月)
- 為替両替(スタンダード):平日・月30万円以内は手数料無料(ミッドマーケット)、月30万円超過分は0.5%、週末(NY時間 金17:00〜日18:00)は1%上乗せ
- 送金手数料は無料をうたうが、中継銀行手数料は発生する場合あり(Revolut公式プラン一覧。プランごとの上限や無料枠は変更が入るので、送る前に自分のプランの画面で確認を)
Revolutは月30万円以内・平日という枠にハマれば実質無料級。ただし枠超過・週末に上乗せがあるので、「大きな額を一気に」より「日常のマルチカレンシー管理」に向くタイプです。

着金額ベースの比較まとめ表
同じ金額を送ったときのコスト構造を一覧にします(2026年7月時点。各社は改定するので送る前に公式で最終確認を)。
| サービス | 送金手数料 | 為替スプレッド(ドル) | 特記 |
|---|---|---|---|
| みずほ(アプリ) | 5,000円 | 約1円/ドル | コルレス費別途・総コスト最上位 |
| ゆうちょ(Web) | 3,000円 | 非公表(実測 約2円/ドル) | 受取側で差引あり |
| 住信SBI | 3,500円 | 非公表 | 2026年4月値上げ後。ドル転なら4銭で別格 |
| ソニー銀行 | 3,000円/プラチナ月3回無料 | 15銭(一般)/4銭(プラチナ) | 受取手数料なし。50万円超ならWiseより安い |
| プレスティア | 2,500円(残高100万↑)/7,000円/ゴールドは無料 | 1円/優遇0.3円 | 条件次第で最安クラス |
| Wise | 送金額の0.73%〜(10万円で約793円) | スプレッドなし | 口座条件なしで安い。少額ほど有利 |
| Revolut | 無料(月30万・平日枠内) | 無料(枠内) | 超過・週末に注意 |
| 現金持参+現地両替 | — | 実質2%超 | 一番高い。丸一日潰れる |
※プレスティア(SMBC信託銀行)は前々月平均残高100万円以上で2,500円/件、ゴールド会員は無料、為替手数料無料プログラム適用でスプレッドが実質ゼロになる条件もあります(出典:プレスティア 為替手数料ページ。2026年4月1日に一部改定済み)。条件を満たせる人には化ける選択肢です。
数字を自分の送金額で試したい人へ:この記事の並びを実際の金額で計算できる海外送金の着金額シミュレーターを用意しました。送る額・回数を入れると、各社の着金額の差がそのまま出ます。
結局どれを選ぶ? 送り方で決める判断軸
「どれが一番安い」は状況で変わります。自分のケースに当てはめてください。
| あなたの送り方 | おすすめの軸 | 理由 |
|---|---|---|
| 少額をこまめに(〜50万円) | Wise | 率課金なので少額ほど安い。口座のステージ条件も不要 |
| まとまった額を一括(50万円〜) | ソニー銀行(条件を満たせるなら)/次点でWise | 固定3,000円+薄いスプレッドなので、金額が大きいほど率課金のWiseを下回る |
| 日本でドル資産を持ちたい・米国ETFで運用したい | 住信SBIネット銀行のドル転 | 4銭/USDは業界最安水準。ただし「海外口座への送金」とは別ルート |
| 日常のマルチカレンシー管理も兼ねたい | Revolut | 月30万・平日枠内なら無料。ただし枠と週末に注意 |
| すでにメガバンクしか口座がない・急ぎ | メガバンク(割高は承知で) | 開設の手間ゼロ。ただし着金額で損する前提で使う |
「Wiseが最安」はどこまで本当か——逆転点を計算した
比較記事はたいてい「Wiseが最安」で終わります。僕もそう書きかけたのですが、各社の公表値を同じ条件に並べ直したら、金額によって順位が入れ替わることに気づきました。
理由は課金方式が違うからです。Wiseは率課金(送金額の0.73%〜・スプレッド0)なので、金額に比例してコストが増えます。ソニー銀行は固定+薄いスプレッド(3,000円+15銭/ドル)なので、金額が増えても3,000円の部分は変わりません。どこかで必ず交差します。
1ドル=150円として、実際に並べるとこうなります。
| 送金額 | Wise(0.73%) | ソニー銀行(一般) | ソニー(プラチナ) |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 730円 | 3,100円 | 27円※ |
| 30万円 | 2,190円 | 3,300円 | 80円※ |
| 50万円 | 3,650円 | 3,500円 | 133円※ |
| 100万円 | 7,300円 | 4,000円 | 267円※ |
| 200万円 | 14,600円 | 5,000円 | 533円※ |
※プラチナは Club S プラチナステージ(残高等の条件あり)を満たし、月3回の無料枠内で送る場合。条件を外れると一般の行に戻ります。
逆転点は だいたい50〜70万円あたり。Wiseの実際の料率は金額・通貨・入金方法で0.5〜0.73%と幅があるので、率が低ければ75万円、高ければ48万円くらいで交差します。ピンポイントの1点ではなく「50万円を超えたあたりから怪しくなる」と覚えておけば十分です。
整理すると、Wiseは「誰でも・条件なしで安い」、ソニーは「条件を満たせて金額が大きいなら安い」。ソニーのプラチナは桁違いに安いものの、ステージ条件が要るので万人向けではありません。自分がどちらの立場かで選ぶ手段が変わります。
僕がいま渡米前に戻れるなら、まずWiseの口座を日本にいるうちに開設しておきます。条件なしでどの金額帯でもそこそこ安く、渡米後はSSNや現地口座の立ち上げでバタバタして送金手段を吟味する余裕がないからです。そのうえで、まとまった額を動かす予定があるならソニー銀行のステージ条件を確認しておく——これが今の結論です。
中継銀行(コルレス)手数料という見えない落とし穴
最後に、比較表に数字で入れにくいけれど無視できないのがこれ。
SWIFT経由の送金は必ず中継銀行(コルレスバンク)を経由し、途中で手数料が抜かれます。金額は受取銀行・通貨・ルートで変わり、数百円〜数十ドル規模になります。厄介なのは、経由する銀行の数も金額も送る前には分からないこと。しかも「OUR(送金人負担)/BEN(受取人負担)/SHA(折半)」の指定次第で着金額が変わります。SHAが一般的な設定ですが、これだと受取額が目減りします。
Wiseが「着金額で強い」のは、各国に自社口座を持っていて国境をまたぐ送金そのものを起こさない仕組みだからです。SWIFTを通らなければ、中継銀行も発生しない。銀行送金で「思ったより着金が少ない」のは、たいていこの中継銀行が原因です。
まとめ:手数料は「払う額」じゃなく「消える額」で見る
海外送金でいちばん怖いのは、5,000円の手数料そのものより、気づかないうちにレートに溶けていくお金です。僕はそれを知らずに4.5万円を溶かし、その反省で選んだ現金持参では、率でさらに損をしました。あの4.5万円があれば、家族で一時帰国の食事が何回できたか——いまでも少し悔しいです。
失敗の本質は、2回とも同じでした。「手数料無料」「現金なら安そう」という印象で判断して、トータルコストを計算しなかったこと。
送金は、一度手段を決めてしまえば以降ずっと効く「仕組み」の話。最初の1回だけ、5分で着金額を比べてみてほしい。4.5万円を先に溶かした者からのお願いです。
なお、この記事は日本から米国へ資金を移す話です。逆方向——帰国後にドル資産を日本で使う最安の方法は、クレカと送金の使い分け比較に書きました。
送金は、駐在のお金まわりの一部にすぎません。出国前の準備から運用までの全体像はアメリカ駐在の資産形成 完全ガイドに順番でまとめています。
よくある質問
Q. 海外送金でいちばん安いのはどこですか?
送る金額で変わります。 ざっくり50万円くらいまではWise(率課金+スプレッド0なので少額ほど安い)、それ以上まとめて送るならソニー銀行(固定3,000円+15銭スプレッドなので大きい額ほど有利)です。逆転点は50〜70万円あたり。ソニーのClub Sプラチナステージを満たせるなら全金額帯で最安クラスですが、残高等の条件があります。プレスティアも条件次第で競争力があります。金額・通貨・改定で変わるので、送る前にシミュレーターや各社公式で必ず確認してください。
Q. 送金手数料が安い銀行を選べば得ですか?
いいえ。送金手数料が安くても為替スプレッドが広ければ総コストは高くなります。比べるべきは「手数料+為替スプレッド+中継・受取手数料を引いた後の着金額」です。手数料欄の数字だけで判断すると、みずほのようにアプリ手数料は明確でもスプレッドとコルレスで着金額が目減りする、という落とし穴にはまります。
Q. 現金を持参して現地で両替すれば安いですか?
いいえ、僕はそれで逆に損しました。手数料2%超(約$180)に加えて、両替できる銀行を探して丸一日潰れています。銀行送金の1.5%より率で高い。「現金なら手数料ゼロ」は錯覚で、実際は両替レートという形で払っています。
Q. メガバンクからの海外送金はやめたほうがいいですか?
急ぎで、すでにメガバンク口座しかない場合は選択肢になりますが、着金額で損する前提で使うべきです。10万円の送金で、みずほは合計1万円超・Wiseは約800円という比較データもあります(出典:Wise公式ブログ)。定期的に送るなら、渡米前にWiseなどの口座を開いておくのが結局いちばん得です。
※本記事は僕(Jin)の実体験と各社公式情報をもとにした記録で、投資助言ではありません。手数料・レートは各社が随時改定します(2026年4〜7月にかけて複数社が改定済み)。送金前に必ず各公式ページの最新情報をご確認ください。
この記事は一人の駐在員の実体験の記録であり、投資・税務・法律の助言ではありません。 投資は自己責任で、税務は必ず専門家にご相談ください。制度・手数料は執筆時点の情報です。 詳しくは免責事項へ。
BOOK
『駐在のお金、全部やってみた』
このブログの4年分の記録を、出国前→着任→駐在中→帰国の時間軸で1冊に再構成しました。 失敗の実額と実ポートフォリオまで、全部載せています。